ハンモック泊というと、夏のアウトドアをイメージする人が多いかもしれません。しかし、しっかりとした冬対策をすれば、寒い季節でもハンモック泊は十分楽しめます。むしろ、冬は虫がほとんどおらず、人の少ない静かなキャンプ場でゆっくり過ごせるため、ハンモックの良さをより感じられる季節ともいえます。
とはいえ、冬はちょっとした準備不足が“冷え”につながりやすい時期でもあります。特に、ハンモックは地面から浮いている構造のため、体温が逃げやすく、暖かい装備や風対策が不可欠です。
この記事では、初心者が冬キャンプでハンモック泊を楽しむために、基本の知識、選び方や必需品、そして寒さ対策をまとめてご紹介します。
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冬のハンモック泊が寒い理由|まず知っておきたい“基本の仕組み”

冬のハンモック泊が「思った以上に寒い」と言われるのには、いくつかの構造的な理由があります。まず大きいのは、地面と接していない分、背中側の体温が逃げやすいという点です。テント泊のように地面からの放射熱を受けることがないうえ、ハンモックは布1枚で体を支えているため、外気と密接に触れています。特に体重がかかる背中側は生地が密着し、空気の層が作りにくいので冷えやすく、「底冷え」を感じやすくなるのです。
さらに、冬キャンプでは風の影響も大きく関わります。ハンモックは空中に吊るされているため、風が通り抜けやすく、冷たい空気が体温を奪ってしまいます。風速が1m増えるだけで体感温度が大きく下がるため、タープの張り方や設営場所の選び方がとても重要になります。
また、冬は気温差が激しいため、寝ている間に結露が発生しやすく、湿った空気がさらに冷えを感じさせる原因になることも。こうした環境の影響により、いつもより早く体が冷えやすいのが冬のハンモック泊の特徴です。
このように、冬の寒さは「装備不足」だけでなく、ハンモックという構造そのものがもつ性質によって起こるもの。だからこそ、仕組みを理解したうえで、アンダーキルトやタープなどの対策を選ぶことが、快適な冬キャンプの第一歩になります。
冬のハンモック泊に必要なアイテム|必需品チェックリスト

冬のハンモック泊を快適に過ごすためには、適切なアイテム選びが欠かせません。ハンモックはテントと比べて地面の凹凸に左右されず、軽量で持ち運びしやすいという魅力がありますが、冬は「冷え」との戦いになります。そこで、ここでは初心者でもそろえやすい“冬の必需品”をまとめました。選び方の基本を押さえておくことで、快適さが大きく変わります。
◆ハンモック本体の選び方|冬は“安定・保温性”が最優先ハンモック本体の選び方
冬でも安心して使用するには、4シーズン対応モデルや、体を包み込む形状の「ギャザードエンド型」のハンモックが扱いやすいです。初心者には、ストラップ・カラビナ・タープがセットになった“スターターセット”が便利。必要なものが揃っているので迷いにくく、設営ミスも減らせます。
◆アンダーキルト|冬ハンモックの防寒対策の中心
冬キャンプで最も重視したいのがアンダーキルト。ハンモックの弱点である“底冷え”を防ぐための必須アイテムです。体に沿ってフィットし、背中側からじわじわ奪われる熱を遮断してくれるため、快適さが大きく向上します。選ぶ際は、キャンプ予定地の最低気温に近い対応温度のものを選びましょう。
◆マット|アンダーキルトと併用すればさらに暖かい
アンダーキルトだけでは不安な場合、インフレーターマットやクローズドセルマットをハンモック内に敷くことで二重の断熱層が作られ、冷気をさらにカットできます。特に初心者は「念のため」にマットを持参すると安心感がUPします。
◆冬用シュラフ|気温に合わせた選び方が大切
冬のハンモック泊では、マミー型の冬用シュラフが適しています。首元までしっかり閉じられ、隙間風が入りにくい構造で、保温力が高いのが特長。気温の変化が大きい冬は、少し余裕をもった対応温度のシュラフを選ぶと安心です。
◆タープ|風の侵入を防ぐ“壁”を作るアイテム
冬キャンプでは、風対策が快適さのカギ。タープを広めに張ることで冷たい風を遮り、体感温度を大きく変えられます。特に冬はスクエアタープやウイングタープなど、張り方の幅が広いものが便利。ハンモックとの相性も良く、風向きに合わせて自由に調整できます。
◆防寒ウェア|レイヤリングを意識した服装選び
冬のハンモック泊では、服装も大切な装備のひとつ。メリノウールのベースレイヤー、フリースなどのミドルレイヤー、ダウンジャケットのアウターというように重ね着の基本(レイヤリング)を意識すると、暖かさが保ちやすくなります。ネックウォーマーや手袋もあると快適です。
【まとめ】
しっかりと必要なアイテムを揃えることで、冬の冷えに左右されず、ハンモック泊ならではの解放感や静かな夜を楽しめるようになります。装備選びは「快適さ」だけでなく「安全」にもつながるため、冬キャンプでは特に重要なポイントです。
設営時に気をつけるポイント|初心者がやりがちな失敗例

冬のハンモック泊は、装備だけでなく「設営の仕方」も快適さを左右する重要なポイントです。特に初心者は、ちょっとした位置や角度の違いで想像以上に寒くなったり、眠りにくくなったりしがちです。ここでは、冬キャンプで失敗しないための設営の基本と、避けたいポイントをまとめました。
◆木と木の間隔は4〜5mが基本|張りすぎもたるませすぎもNG
ハンモックを吊るす木の間隔は、4〜5m程度が目安です。間隔が広すぎるとロープに強いテンションがかかり、寝たときの角度が急になってしまいます。逆に狭すぎるとハンモックがたるみすぎて、体が深く沈み込み寝姿勢が安定しません。適度な高さと角度になるよう調整することが大切です。
◆風向きを考えたタープ設営|冬は“風除け”が命
冬のハンモック泊では、とにかく風対策が重要。風が直接当たると体温が奪われやすく、アンダーキルトの保温力も低下します。タープは風上側をしっかり覆うように張り、サイドもしっかり角度をつけて風の侵入を防ぎましょう。スクエアタープなら、張り方を工夫して“壁のように”風を遮ることもできます。
◆設営場所の選び方|冷気が溜まる地形は避ける
冬キャンプでは、地形の特徴が体感温度に大きく影響します。川沿いや谷間は冷気が集まりやすく、夜間は特に冷え込みが強くなる場所です。できるだけ風が穏やかで平坦な場所、そして日の当たる時間が長いエリアを選ぶと快適さが違います。
◆安全面のチェック|枯れ木・腐った木には絶対に吊らない
ハンモックを吊るす木は、見た目以上に重要な安全ポイント。枯れ木や腐った木に吊るすと、重さで折れる危険があります。幹の太さや根元の状態を確認し、健康でしっかりした木に吊るすのがアウトドアの基本ルールです。樹皮に傷をつけないために、ツリーストラップを使用することも忘れずに。
◆高さは腰の位置が目安|落下リスクを防ぐ
ハンモックは高く吊りすぎると、乗り降りがしにくくなるだけでなく、万が一落ちたときにケガにつながることがあります。座ったときに**足が地面につく程度(腰の高さ)**が最適で、安全性も高いセットアップになります。
【まとめ】
冬のハンモック泊は、こうした設営のポイントを押さえるだけで快適さが大きく変わります。初心者ほど「ちょっとした違い」が大きな差になるため、焦らず丁寧に設営することが大切です。冬ならではの自然環境を味方につけ、安全で心地よい時間を楽しみましょう。
冬のハンモック泊で暖かく過ごすコツ|“ちょい足し”対策
冬のハンモック泊では、防寒アイテムを揃えることはもちろん大切ですが、ちょっとした工夫で体感温度を大きく変えることができます。ここでは、初心者でもすぐに取り入れやすい“ちょい足し”対策を紹介します。装備を買い足さなくてもできるものも多く、冬キャンプの快適さが一段とアップします。
◆寝る前に軽く体を動かして“自家発電”する
シュラフに入る前に、軽くストレッチやスクワットをして体を温めておくと、寝始めが格段に快適になります。冬キャンプでは、体温を上げてからシュラフに入ることで、暖かい空気が逃げにくくなり、効率よく保温できます。激しく動く必要はなく、軽く体をほぐす程度で十分です。
◆湯たんぽ(ナルゲン+お湯)で足元を温める
冬のアウトドアで人気なのが、自作の湯たんぽ。耐熱ボトル(ナルゲンボトルなど)に熱湯を入れ、タオルでくるむだけで簡単に作れます。これを足元に入れると保温力が高まり、特に冷えやすい足先を温めてくれます。湯たんぽは持続時間が長く、電源のないキャンプでも頼れるアイテムです。
◆温かい飲み物で内側からケアする
外側の防寒だけでなく、体の内側から温めることも大切。温かいスープやホットドリンクがあるだけで、寝る前のリラックス感が増し、寒さによる不快感が和らぎます。お気に入りの飲み物を保温ボトルに入れておくと、夜中に冷えを感じたときにも安心です。
◆顔まわりの“通気”を確保して結露を防ぐ
冬のハンモック泊で意外と困るのが結露。シュラフの顔周りを完全に覆ってしまうと、呼気の湿気がこもり、濡れによってかえって寒さを感じることがあります。シュラフは締めすぎず、適度な通気性を確保することが快適さのポイント。タープの配置を工夫し、風が直接当たらない空間を作ると安心です。
◆余った衣類やタオルで“隙間風対策”
アンダーキルトとハンモックの間に隙間があると、そこから冷気が入り込みやすくなります。そんなときは、余ったダウンジャケットやタオルを隙間に詰めておくだけでも保温力がアップ。ちょっとした調整ですが、体感温度に影響しやすいポイントです。
【まとめ】
冬のハンモック泊は、装備+工夫で暖かさがぐっと変わります。小さな“ちょい足し”を組み合わせて、寒い季節でも心地よくアウトドアを楽しんでみてください。
ハンモック泊のメリット|冬ならではの魅力とは?

冬のハンモック泊には、「寒そう」というイメージがある一方で、実は冬ならではの魅力がたくさんあります。まず大きなポイントは、地面の冷気や凹凸の影響を受けない快適さです。冬のキャンプでは地面が冷え込み、地面に敷くタイプのテント泊はどうしても底冷えしがちですが、ハンモックなら地面から浮いているため、冷気が直接伝わりにくいというメリットがあります。きちんと防寒対策をすれば、驚くほど快適に過ごせるのが魅力です。
また、冬は虫が少ない季節という点も大きな安心材料。夏場は蚊やブヨに悩まされがちですが、冬のアウトドアは虫がほとんどいないため、初心者でもストレスなく夜を迎えられます。静かな環境で、ハンモックならではの揺れに身を任せて眠れるのも冬キャンプならでは。
さらに、ハンモック泊はミニマルな装備で設営ができるのも魅力のひとつ。雪がある場所でもペグが刺さらない心配がなく、木が2本あれば設営可能。慣れてくるとテントよりもスピーディに準備でき、撤収も簡単です。
そして何より、冬の澄んだ空気の中で、満天の星空を真上に感じられる特別な時間は、ハンモック泊ならではの醍醐味。木々に吊られた独特の浮遊感と静けさは、まるで自然の中のベッドに寝ているよう。寒さ対策さえ整えれば、冬のアウトドアをさらに楽しめるスタイルです。
よくある質問(Q&A)

Q1.冬のハンモック泊は初心者でもできますか?
A.事前に基本の対策を押さえれば可能です。特に、アンダーキルト・寝袋・タープの3点は必須。初めてなら気温が安定した場所や標高の低いキャンプ場を選ぶと安心です。
Q2.ハンモックはどんな種類を選べばいい?
A.冬は身体を包み込む「エンドバーなし(ギャザードエンド)」タイプが人気。保温性が確保しやすく、風の影響も受けにくいのが特徴です。
Q3.朝方の冷え対策はどうすればいい?
A.冬キャンプで一番冷えるのは明け方。寝る前に湯たんぽやインナーシュラフを使う、タープを低く張るなど“ちょい足し”で保温性を高めるのがポイントです。
Q4.雨や雪でもハンモック泊はできる?
A.しっかりタープを張れば可能ですが、初心者は無理をしないのが基本です。風が強い日は避け、天候が読みやすい場所を選ぶと安心して過ごせます。
鎌倉NaFro「ヘブンテント」

「Haven Tent(ヘブンテント)」は、腰に負担がかからず、体に優しい、世界初の完全フルフラット式ハンモックです。
フライシートと蚊帳付きでソロキャンプ用テントとしても活躍します。木がない場所でも設置が可能で、ハンモックとテントのいいとこ取りを実現したハンモックになります。
※havenの意味は理想郷、避難所です。本来の発音はヘイブンに近いですが、日本人にとって言いやすく覚えやすい「ヘブンテント」を日本語名として採用しています。
◆どんな場所にも設置できるHaven Tentはあなただけの理想郷

Haven Tent(ヘブンテント)は、どんな場所にも設置できるので、あらゆる場所で自然を楽しむことができます。
まさしくHaven Tent(ヘブンテント)は、木がない場所でも簡易テント、またはビビィとして使用することができます。
ちょうどいい木があるかな。と心配することもありません。
※設置用にガイロープ、ペグが付属。
地面に設置する場合は、別途トレッキングポールが必要です。
◆世界初のフルフラット式、人間工学に基づいたスリーピング・プラットフォームを実現

Haven Tent(ヘブンテント)最大の特徴は、世界初の完全フルフラット式のハンモック。
従来のハンモックのように腰が沈まないので、仰向け、横向き、うつ伏せなど、お好きな体勢で寝ることができます。
◆Haven Tent(ヘブンテント)の機能性

蚊帳、フライシートなど、キャンプに必要な機能が標準装備されているので、Haven Tent(ヘブンテント)さえあればソロキャンプは大丈夫です。
また、ハンモックの内部には大小4ヶ所ものポケットがあり、ブーツもしっかり収納できる大ポケットから、ボトルやスマートフォンなどを収納できる小ポケットまで、手が届く場所に必要なツールを置いておくことができます。
そして、本体とフライシートの耐水圧は4000mm。これはテントの中でも上位機種に
カテゴライズされる品質です。
収納では専用ポーチが付属しているため、、軽量コンパクトにまとまります。テントが不要になるので荷物の軽量化がはかれ、登山やバイクのツーリングにも最適です。
◆エアマットレスが標準装備

重さ0.85kgの断熱素材(R4)を採用した、ウルトラライトエアマットレスが付属しています。
冬でも体温を下げる事なく使用できるのも嬉しいポイントです。
空気の逆流を防ぐバルブを採用しており、収納ポーチがそのまま注入が簡単なエアポンプになります。
パッケージ内容
・本体
・フライシート
・蚊帳
・エアマットレス
・ツリーストラップ
・ガイライン&ペグ
・収納袋
サイズ(展開時):L198cm×W58cm×H86cm
サイズ(収納時):33cm×22cm×16cm
本体重量:1.09kg
セット総重量:2.78kg
耐荷重:129kg
耐水圧:4000mm
Haven Tent(ヘブンテント)シリーズ商品ラインナップ
・Haven Tent ヘブンテント スタンダード
・Haven Tent ヘブンテント スタンダード Forest Camo
・Haven Tent ヘブンテント XL Forest Camo
・Haven Tent ヘブンテント XL フォレストグリーン
・Haven Tent (ヘブンテント) Safari
◆新発売Haven Tent Spectre(ヘブンテントスペクター)

Haven Tent(ヘブンテント)シリーズ最軽量モデルが2025年夏、発売が開始されました。
素材はMonoliteメシュ素材を採用しているため、遮るものがないパノラマビュー体験を実現しました。
最大1,480gの軽量化。収納箇所も増え、さらに使いやすさも抜群です。
まとめ|冬でも快適に楽しむためには“準備がすべて”

冬のハンモック泊は、しっかり対策を整えれば初心者でも快適に楽しめるアウトドアスタイルです。冬ならではの静けさや澄んだ星空に包まれる時間は特別ですが、その心地よさを引き出すには 事前準備 がとても重要。とくにアンダーキルト・寝袋・タープの3つは必須装備となり、さらに風向きの確認や設営位置の工夫など、小さなポイントが快適さを左右します。
また、ちょっとした“プラスの対策”を取り入れるだけで暖かさは大きく変わります。湯たんぽやインナーシュラフ、ネックウォーマーなどの小物も冬キャンプの味方。無理をせず、段階を踏んで経験を積むことで、自分なりのベストな環境づくりができるようになります。
寒さを恐れすぎず、しっかり準備しながら冬の自然を思いきり楽しんでみてください。ハンモック泊ならではの魅力が、きっとあなたのキャンプスタイルを広げてくれます。